2時間半尿意と戦い続けた「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」感想

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先日、欅坂46の映画を観てきました。

まぁ余韻がすごい。

翌日の今日でも、興奮冷めやらない。

アドレナリン出っぱなしなんですが。

映画の感想をブログに載せて、述べるようなことは殆どしないし、自分の内に留めておくことが大半なんですが、今回は違いました。

これは自分の頭で考えながら考えを整理する方が、僕にとっていい気がしました。

 

これから書き連ねることはかなりのネタバレを含みますので、まだ鑑賞していない方は映画館に行って観てから、またこの記事に戻っていただけたらと思います。

 

 

平手友梨奈とは一体何者だったのか

 

この映画の序盤から終盤にかけて、殆ど平手友梨奈を取り巻くメンバーの視点を軸に進んでいきます。

 

そのメンバー達の発言を聞いて率直に思ったことは、平手友梨奈は俗に言う天才である前に、とてつもない人格者、思いやりのある人なんだなということ。

僕らは欅坂46の所謂外野で、限りある映像やインタビューを元に自分の意見を発言するしかありませんでした。

それは良く言えば、欅坂46というグループをグングン育てるようになりましたし、悪く言えば、平手友梨奈を苦しめることにも繋がりました。

最近愚直にメディアを始め、SNSが発達し、ついには個人まで意見を持ち、それを発言するようになりました。

それが時に芸能人を苦しめ、最悪の場合自分で自分を殺してしまったりする訳です。

自分で自分を殺す。

自分で自分を犠牲にして、最後までグループを守ろうとした平手友梨奈

僕たちは目に見えるものが真実だと思い過ぎているが故に形に見えない、ましてやテレビの向こう側にいる人間の発言をあまり信用しようとしない。

ライブ裏では息をするのもやっとの姿の平手が何度も映し出されました。

こうも、裏側の映像を見ると印象が変わるのかと感心しました。

それと同時に平手を突き動かすものとは一体なんだろう、その儚くもどこかでは真っ直ぐなその目に一体何が映っているんだろうと不思議に思いました。

でも、そんな中で紅白歌合戦の"リベンジ不協和音"。

満身創痍でスタッフやメンバーに抱えられながらも退場して行った後、まるで最期であるかのように、一人一人のメンバーを抱きしめ、言葉をかけていった場面がありました。

覚悟をしていたからこそ、迎えるように抱きしめたメンバーもいれば、言葉を告げられた瞬間に目が点になり、抱きしめた時には涙を流すメンバーもいました。

その場面を観た時に平手は欅坂46の絶対的センターである前に、欅坂46を誰よりも愛している、思いやりのある人だったんだと実感しました。

誰よりも前に立って、容赦のない道徳のない言葉をたくさん浴びせられた経験があるからこそ、大好きな人たちは大切にしよう。

表側を意識しすぎた僕はいつの間にか裏側のことを見失っていたように思えました。

 

更に平手友梨奈は最後まで「アイドル」だったなとこの映画を観て思いました。

 

アイドルとは、「偶像」「崇拝される人や物」「あこがれの的」「熱狂的なファンをもつ人」を指す。英語(idol)に由来する語[1]。

 

他のアイドルとは全く違う、キャピキャピしたものではなく、"平手信者"という言葉があるように何か宗教的で言う教祖みたいな感じでした。

平手友梨奈のパフォーマンスに魅了された人は誰だって口をポカンと開けて、これがアイドルなのかと不思議に思ったことでしょう。

ただ、僕達も一緒にいたメンバーですら思ってしまう。

「次はどんなものを見せてくれるんだろう」

期待が募り、ハードルは高くなっていく。

理想や期待をどんどん膨らませていった、みんなの「偶像」が平手友梨奈であって、平手自身はそれと毎日対峙したんではないか。

キャピキャピしたアイドルは最早邪道であって、言葉の意味を考えた時に、平手友梨奈は本当のアイドルだったのかもしれない。

 

 

メンバーの苦悩

この映画は、主に1期生を中心に進んでいく。

キャプテン菅井友香、副キャプテン守屋茜小林由依渡邉理佐……

 

まず、菅井友香

やはり欅坂をずっと1歩引いた視点で見てきたキャプテンだからこその視点、そして苦悩が際立ったように見えた。

言葉を濁らせたり、涙を流す場面もあった。

特に印象に残ったのは不協和音MV撮影を振り返るシーン。

「その時の平手は目を合わせてくれなかった」

長濱ねるも同じようなことを言っていたと語る菅井の発言に、ずっと一緒に、長い時間居たメンバーですら尊敬する反面、平手を恐れてしまうんだ、そんなふうに感じた。

 

 

守屋茜は個人的に未だ「軍曹」キャラが強いのだが、そんなことは1mmも感じさせないほど優しく、平手に寄り添うシーンが多かったように感じた。

「真っ白なものは汚したくなる」全国ツアーで平手が休むことが多くなった際に、代理センターでやろうとした時。

「このポジションは平手にしか出来ないし、平手が居ないと私たちはなんの為に居るんだろう」

平手にいつしか執着していた守屋や多くのメンバー。

その苦悩は恐らくそこの現場にいたメンバー達にしか踏み入れては行けないのだろう。

しかし、今の欅坂(2019~現在)は真っ白なものは汚したくなるツアーの時と比べて別グループのように思えた。

平手に必要以上に依存することなく、そのポジションで別の欅を創っていくような感じがした。

詳しくは小池美波のことについて書く時に書く。

 

 

渡邉理佐は、「世界には愛しかない」のMV撮影のシーンが印象的だった。

自分が思うように行かない、何をしたらいいのかわからない反面、平手のずば抜けた表現力や行動力を見たメンバー達の姿が平手はやっぱり違う、私たちとは違う人間なんだとなにか線引きしたような感覚を覚えた。

 

 

小林由依は、全体的に達観してるという印象だった。

淡々とした表情や仕草で、過去を振り返っていた。

卒業した今泉佑唯への気持ちは本当に素晴らしかった。

ゆいちゃんずが好きだった1ファンとして、よくぞ聞いてくれたという感じだった。

また、小林がセンターをやっている時はどこか生き生きしてるように見える。

それに関連してるのか、終盤どう言った質問なのかは曖昧になっているのだが、小林が「他のメンバーとは全く意見が違うように思えるし、それをこの場で言うのは違うかな…」のような発言があった。

その違う意見とは何なのか、それは本人の口からまた聞く時を待ちたい。

 

 

小池美波の葛藤もこの映画の見所のひとつだったように見える。

初めての選抜落ち、二人セゾンの代理センターとしての想いだったりと小池の葛藤がよく目立った。

 

選抜落ちは石森虹花の発言も目立った。

齋藤冬優花がいたから、ダンスもまとまっていたし、小池美波がいるいないとではパフォーマンスが全く違ってくる、この子は必要、この子も必要なのに…」 

1期生でずっと誰一人選抜に欠けることなく、皆で数年間を走り続けられた石森だからこそ、この発言が刺さった。

 

小池美波の二人セゾン代理。

平手がいるからその代理である、それだけのように思っていた小池にかけたTAKAHIRO先生の言葉がまた印象的であった。

「私は二人セゾンのセンターは小池がいいと思っています(中略)他人と比較することなく、過去の自分と比較しよう。」

平手がいるセゾンと比べるのではなく、自分だからこそ出来るセゾンを作る。

生き生きとしたソロダンスは実に見ていて心地良かった。

 

 

齋藤冬優花がライブ中(?)に脱走したシーンも何か欅の不安定さを物語っていたように思えた。

当時のメンバーこそが一誰よりも"平手信者"だったのかもしれない。

 

更に元メンバーの鈴本。

黒い羊のMV撮影終了後、平手が体を伏せ泣き崩れているのをメンバー達が囲い、言葉をかけるシーンがあった。

その時に鈴本以外のメンバーは体を平手に傾け、そばに居たが、鈴本だけは平手を見ているだけで突っ立っていた。

鈴本はあの時何を思っていたんだろう。

自分の考えすぎかもしれないが。

 

 

そしてこれから。

 

TAKAHIRO先生がインタビューに答えた発言がこれまた素晴らしかった。

「(大人がやるべきことを聞かれた際に)うーん…見守ることですね、ずっとこれからを見守り続けることですね、どう思いますか?」

長い時間メンバーを見守り続けてきたTAKAHIRO先生だから言えることだし、ここまで意味を持たせるのもなんだか、らしいなと感じた。

 

新型コロナウイルスで公開が延期になった分、追加された約20分ほどの映像。

改名発表と誰がその鐘を鳴らすのか?

前向きなお別れと発言したキャプテン菅井。

それを体現した誰鐘のパフォーマンス。

新2期生も入ってきて、更なる新しい坂道を掛けあがれるなと確信した。

平手に依存していたあの頃とは全く面も表現力も桁違いだった。

僕たちの(メディアや世間が作り出した)嘘と(紛れもないメンバーだからこそ語ることの出来る)真実。

タイトルを僕はそう受けとった。

 

 

個人的な感想

欅坂46はドキュメンタリー映えするグループだなと改めて感じた。

 

あの初々しい平手と現在の平手を見ると、本当に命削って欅坂やってくれたんだなと胸が熱くなった。

 

また、日向坂46が葛藤していたあの頃にも、欅坂46はまた違う葛藤を経験していた。

日向坂は「アンダーグループ的な扱いや自分自身の存在価値への葛藤」

欅坂は「平手が居ないことへの苦悩と自分自身の存在価値への葛藤」

日向坂から見れば、それは贅沢な葛藤だと思うかもしれないが。

 

なんと言っても、東京ドームと紅白の不協和音は何回観ても鳥肌が立つ。

あれを超えるものはこれから先ずっとないんじゃないかと思うくらい満身創痍且つ鬼気迫る表現力だった。

 

保乃ちゃんが可愛すぎる、ずっと相槌打ってました。

何回脳内で「結婚してください」とプロポーズしたことか。

 

誰鐘の天ちゃんと、鼻の先にペンキ付ける天ちゃんがマジで別人とは思えません。

どんな14歳だよ、ギャップ強すぎるだろ。

 

てちのヤクルトiPhoneケースわろた

 

欅を見るとSNSを辞めたくなる。

 

1時間くらい経った時にトイレ行きたくなった。

まだ1時間半あって絶望した。

(終演後、真っ先にトイレに行きました。

1分くらい出っぱなしでした。)

 

 

ゆっかーには、本当に幸せになって欲しい。

(トイレの話の後にごめんゆっかー……)

 

 

 

ここまで読んでくれた人は大好きです。

愛してます。

何とも駄文でまとまりがありませんでしたが、読んでくださってありがとうございました。

 

久しぶりのブログ更新で文の書き方を忘れてしまったてんさいでした。